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川崎36景

第24景 アウマンの家

川崎区南渡田町にある、JFEの入口。
川崎区南渡田町にある、JFEの入口。
今回行くのは、JFEスチール株式会社(以下JFE)敷地内にある「アウマンの家」。

といっても、「アウマンって誰?」と思われる方も多いのではないでしょうか。

それもそのはず、グラバー邸のように、大河ドラマに出てくるような有名人というわけではないのです。しかしながら、この人がいなかったら、きっと今の日本の産業はここまでにならなかった、という、日本の産業の歴史にはとても関係の深い人なのです…
タイル敷きの歩道から、ウッディーな通路が…
タイル敷きの歩道から、ウッディーな通路が…
その通路の先にあるのが、アウマンの家です。
その通路の先にあるのが、アウマンの家です。
じゃーん、正面写真。
じゃーん、正面写真。
緑の中にたたずむ洋館。<br>赤い柱と窓枠がキュート!
緑の中にたたずむ洋館。
赤い柱と窓枠がキュート!
アウグスト・アウマン氏は、旧日本鋼管株式会社(現JFE)創業(1912年)の頃、製造設備を輸入するのと同時に招かれた、ドイツの技術者です。この家は、そのドイツ人職工長宿舎として建てられました。
当時日本には彼を含む4名が招かれましたが、第一次世界大戦の勃発により、着任後1年余りで帰国してしまいました。

しかし、アウマン氏だけは再び日本に戻り、日本女性と結婚して1940年(昭和15年)までこの家で生活していたそうです。

家は一度なくなりましたが、その後、現在の場所に復元され、資料館として市民にも開放されていました(現在では社員が利用するレストランとして使われています)。
入口には、メニューが書かれたパネルが。
入口には、メニューが書かれたパネルが。
お天気の良い日は、外のベンチが気持ちよさそう。
お天気の良い日は、外のベンチが気持ちよさそう。
見るからに古い!100年前の門柱。
見るからに古い!100年前の門柱。
上の写真を見てお気づきの方もいるかと思いますが、家の前にある、古くて大きな柱が2本。これは、日本鋼管創立の1918年に建てられた正門の門柱だとのこと。約100年前の門柱がここに移築されています。

これは復元ではなく、本物の当時の門柱。歴史的にはこちらの方が価値はあるかも?
門の取り付け部分の金具。<br>これで会社の入口を守っていたんですね。
門の取り付け部分の金具。
これで会社の入口を守っていたんですね。
100年経つと、ねじと金具も一体になってしまうんですね…
100年経つと、ねじと金具も一体になってしまうんですね…
日本鋼管初代社長、白石元治郎氏の銅像。
日本鋼管初代社長、白石元治郎氏の銅像。
1912年(明治45)に日本最初の鋼管製造会社、日本鋼管を創立した白石元治郎(しらいしもとじろう)氏は、“鋼管王”、“鉄鋼巨人”などとも称された伝記本も出ている、まさに日本の鉄鋼産業の父といえる人で、鶴見線「武蔵白石」の駅名も、白石元治郎氏に由来するものだそうです。

本社ビルの目の前にあるこの銅像、今も会社を見守っているようですね!

取材協力
JFEライフ株式会社
川崎市川崎区南渡田町1-1