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かわさきマイスター活動レポート

ゲルマニウムラジオ製作教室

かわさきマイスターが教える技術 伊藤直義さんを講師に迎えて電池がないのに音が出る不思議なラジオを製作します

川崎市高津区の川崎市生活文化会館(てくのかわさき)で3月17日午前10時から、小学生の3年生以上を対象にした「ゲルマニウムラジオ製作教室」が開かれました。機械設計・製作の分野で平成22年度に認定された「かわさきマイスター」の伊藤直義さん(高津区在住)を講師に迎えて、17人が参加しました。神奈川県立向の岡工業高校(多摩区)の先生と生徒、40年以上趣味でラジオなど電子機器を作っている加藤弘之さん(中原区在住)など多くの方々がサポート役につきました。小学生は「むずかしいなー」とつぶやきながらも2時間でラジオを作りました。イヤホンから聞こえてくる放送に「やったー」と喜びの声をあげる小学生もいました。

定員20人に100人を超える応募

「ゲルマニウムラジオ製作教室」には、定員20人に対して100人を超える小学生から応募があり、抽選で20人に出席案内が届けられました。当日は3人が欠席となり、参加者は17名となりました。
雨の降る中、参加する小学生が母親や父親に付き添われて会場に訪れました。6年生の男子生徒は「工作が大好きです。自分で作ったラジオで放送を聞きたかったので、(抽選に)当たって、ものすごくうれしかった。ラッキーでした」といいながら着席しました。そして、机上に置いてある工具やゲルマニウムラジオの部品をじっと見入っていました。

ひとりひとりの手をとっての指導

講師の伊藤直義さんが「定員の5倍以上の人が『ラジオを作りたい』と手を挙げました。その中から抽選で出席できた皆さんはラッキーでしたね。私がゲルマニウムラジオを作ったのは中学生のときでした」と語りかけ、製作工程を丁寧に話しました。
ゲルマニウムラジオは、電波(高周波信号)を音声信号に変換するゲルマニウムダイオードをはじめ、わずか数個の電子部品で作れます。電池や電力会社からの電気の供給を受けなくても、電波のエネルギーで音声を出します。感度が低いので放送を聞くためには、アースの接続と屋外にアンテナ線を引くことが必要です。この日は、教室がビル内であったため、アンテナをビルの屋上に取り付けました。
伊藤さんが「これから部品が揃っているかどうか、よく見てください」と生徒に声をかけました。生徒は伊藤さんの示す
・全ての部品を取り付ける木の板1枚
・木ネジ2本
・電線2本
・両面テープ1枚
・結束バンド2本
・ゲルマニウムダイオード1個
・放送局を選ぶダイヤル付きバリコン1個
・セラミックイヤホン1個
・アンテナ接続用ミノ虫クリップ1個
・セラミックコンデンサ1個
・抵抗器1個
・リードインダクタ1個
・ダイオードやバリコンなどを接続する元になるラグ板1枚
・ラグ板取り付け用スペーサ1個
をそれぞれ手にとって確認しました。

伊藤さんが「木の板に木ネジでラグ板を取り付けます。ネジを締めすぎないようにしてね」と細かく注意点を話します。伊藤さんと加藤さんが各机に足を運び、進行状況を見ながら、次の作業手順を示します。向の岡工業高校の石井先生や生徒も、優しく丁寧に教えていました。
「先生、これでいい?」とその机担当のサポーターに木の板に取り付けた部品を見せます。「それでオッケー」とサポーター。

伊藤さんが「ハンダで部品を固定する前に間違いがないか、ひとつひとつ確認してください」といいました。作業は大詰めに入りました。生徒は「むずかしいな」というものの、サポーターの助言を受けながらハンダで線と部品を取り付けていきました。
そして、正午直前、全員がゲルマニウムラジオを作りあげました。
加藤さんは「ゲルマニウムラジオは放送局から飛んできた電波を直接取ります。電源がなくても放送を聞けます。鉄筋コンクリートの建物の中へは電波が入ってきにくいので、アンテナを屋外でなるべく高く、長く出してください」とアドバイスをしました。

「あっ、聞こえる」と感激の声あげる生徒

3年生の加藤希和(かとうきより)さんが自分の手で作ったゲルマニウムラジオにアンテナ線をつなぎました。「あっ、聞こえる」と声をあげ、頬をゆるめました。「一番むずかしかったのはハンダ付けでした。アンテナにつなぐときはドキドキしちゃった。(放送の)声が聞こえたときは、ものすごく嬉しかった」。姉の6年生、花果(はるか)さんも「私もハンダ付けがむずかしかった。ラジオが私でも作れたので、とても嬉しい」といい、右手で耳にイヤホンを押さえ、放送に聞き入っていました。4年生の原光太郎さんは「最初は簡単に作れるだろうなと思っていました。でも、(部品を)間違えないように取り付けていくのは難しかった。先生が優しく、丁寧に教えてくれたので、僕もラジオを作れました。アンテナにつなぐときは(放送が)聞こえるかどうか心配だったけれど、聞こえてほっとした。すごく、嬉しかった」と話し、自分の作ったラジオを見つめていました。
生徒の父親の一人は「子どもにいろんな体験、勉強をさせたかったのと手を使ってものを作る機会が少ないので、『ゲルマニウムラジオ製作教室』に応募しました。伊藤先生はじめ、先生方がとても丁寧に教えてくださって、うちの子もラジオを作れました。放送が聞こえたときの子どもの喜ぶ顔を見て、私も嬉しくなりました。こんな機会を作ってくださった方々、ありがとうございました」と話していました。

伊藤直義さんの話

本日のサポータのみなさんと、かわさきマイスターの伊藤さん(右から2番目)
本日のサポータのみなさんと、かわさきマイスターの伊藤さん(右から2番目)
ゲルマニウムラジオを作ったものの、放送が聞こえない子がいたらどうしょうかと不安でしたが、全員が放送を聞けるラジオを作れて、よかった。ほっとしましたよ。皆さんに協力していただき、子どもたちに「ものづくり」の楽しさ、魅力、大切さを教えることが出来たと思います。次は、大人を対象にしたトランシーバーのようなものを作る教室を開くのも良いかなと思います。今回のような催しに引き続き、私も出させていただき協力したいと思います。

加藤弘之さんの話

「ゲルマニウムラジオ製作教室」生徒の募集広告を見て、アシスタントとしてお手伝いをしようと思ってきました。「かわさきマイスター」の伊藤さんの元で、子どもたちにゲルマニウムラジオづくりを体験してもらい、放送が聞こえて喜ぶ子どもたちの姿を見て、とても感動しました。
子どものころから「ものづくり」が大好きで、工業高校で学び、大手電機メーカーに就職しました。ここで水力発電の水車設計で働き、設計の基礎や工業規格の知識などを身につけました。その後、1983年(昭和58年)に有限会社伊藤工業を設立し、機械・装置の設計、製造、開発、修理、改造など機械に関する注文をこなしました。ビニールハウスで使用する農業用作業車、カエルの足の筋出力測定器、シャボン玉発生装置など、多種多様な製品を開発しています。横浜国立大学と世界初のスパイラルモータを共同開発しました。
高津区野川在住。平成22年度かわさきマイスター認定。
有限会社 伊藤工業経営。

伊藤さんの詳しい紹介ページはこちら

川崎市生活文化会館 てくのかわさき

てくのかわさきは、技能職者が技術を磨き、市民が多目的に利用し、技能職者と市民が、親しく交流する施設として開設されました。
「てくのかわさき」は、一般公募によりいただいた愛称で、それぞれ「て=手(芸)」「く=工(芸)」「の=能(技)」を表しています。

■住所     川崎市高津区溝口1-6-10
■電話番号   044-812-1090
■FAX      044-812-1117
■ホームページ http://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/tekuno.html