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かわさきマイスター活動レポート

マイスター匠展2日目レポート

提供:川崎市

実演コーナー 4名のマイスターの熟練した技術に圧巻

2日目となる9月3日(木)も、4名のマイスターが実演コーナーに参加しました。この日は東生田小学校の小学5年生105名も見学に訪れ、会場は一層賑わいました。

参加されたマイスターは、
・平成11年度、只木角太郎さん(洋服仕立て)
・平成20年度、井上衛さん(造園士)
・平成14年度、栗田佐穂子さん(洋裁・介護服)
・平成16年度、畑幸男さん(食肉加工士)



只木 角太郎さん (洋服仕立て紳士・婦人) -スーツ仕立て実演

ながれるような手つきで男性ものスーツを仕上げていきます。
ながれるような手つきで男性ものスーツを仕上げていきます。
 「昔はスーツも手造りだったけれど、最近は既製服ばかりです。手造りのスーツは、着て軽い感じなのが最もお勧めな部分です。着た感じがかちっとした服は、勧めないようにしています」。洋服仕立て分野のかわさきマイスター、只木角太郎(ただきかくたろう)さんは、このように語ります。
只木さんがデザインされた洋服。紳士ものから婦人ものまで、幅広く手がけます。
只木さんがデザインされた洋服。紳士ものから婦人ものまで、幅広く手がけます。
デザインが次々と浮かんでくるそうです。
デザインが次々と浮かんでくるそうです。
てきぱきとした手さばきでスーツを仕立てながら、来場者に説明をします。
てきぱきとした手さばきでスーツを仕立てながら、来場者に説明をします。
只木さんは、全日本紳士服通商産業大臣賞を受賞した人のみが加入できる全日本紳士服デザイナー協会やFIMT国際デザイナー協会、さらに、鳥居ユキさんなど有名デザイナーも所属している日本デザイナークラブにも所属しています。
以前新百合ヶ丘で開催されたファッションショーには33点の作品を出展しました。来場者300名の中には、その素晴らしさに惹かれ、ショーが終わってから服を注文された方もいらっしゃったそうです。
この日も、来場者は只木さんの実演に見入り、熱心にお話を聞いていました。
背広の襟(えり)の芯を入れます。
背広の襟(えり)の芯を入れます。
このベストは、とても人気があるそうです。
このベストは、とても人気があるそうです。
出展中のかわさき市民祭、区民祭は、型紙を来場者に提供し、「作りやすかった」などの電話の声が寄せられるなど、大人気だったようです。
次々と訪れる来場者の中には、「こういう手造りは懐かしい感じがする、最近は生地を専門に売っているお店がなくなってさびしい」との声もあり、只木さんは、「手縫いで縫う人がもっと増えてくれるよう願っている」と語っていました。

井上 衛さん (造園士) -竹垣及びシュロ縄結び実演

丁寧に霜よけへのシュロ縄結びを来場者に指導される井上衛さん。シュロ縄結びとは、植木とそれを支えるための添え木を縛るときの結び方の一種です。
丁寧に霜よけへのシュロ縄結びを来場者に指導される井上衛さん。シュロ縄結びとは、植木とそれを支えるための添え木を縛るときの結び方の一種です。
造園分野のかわさきマイスター、井上衛(まもる)さんは、作図から作庭までの樹種の選定、石組み手法、霜よけ作業、エコ対策にかかわる植生配置などにおいて、卓越した技能を保持しています。この日も、竹垣及びシュロ縄結びを、希望する来場者に終始丁寧に指導されていらっしゃいました。
井上さんは、昭和39年に造園の国家資格である造園技能士1級を取り、それ以降検定委員のお手伝いをされ、昭和64年から7年間検定委員を努め、試験前には講習会を行われていました。現在でも毎年中学校2~3校で講習会を行うなど、後進の育成にも尽力されています。
 
梅の花の形の飾り結び。
梅の花の形の飾り結び。
来場者に指導される井上さん
来場者に指導される井上さん

栗田 佐穂子さん (洋裁・介護服) -ユニバーサルファッションを採り入れた介護服

川崎市敬老事業 米寿88歳、お祝い採択品に選ばれた、脇にボタンが付いているチョッキ
川崎市敬老事業 米寿88歳、お祝い採択品に選ばれた、脇にボタンが付いているチョッキ
洋裁・介護服の分野でかわさきマイスターに認定されておられる栗田佐穂子(くりたさほこ)さんは、小田急線向ヶ丘遊園駅北口をでてすぐのところに、「ユニバーサルファッション」「レンタルフロア」「ギャラリーCHACO」「レンタルBOX」「ユニバーサルスクール」から成る「アソシエCHACO」というお店を地域と一緒になって作り上げ、運営しています。
この取り組みは、国からもコミュニティビジネスとして支援を受けながら、日夜努力されていらっしゃるそうです。

右の写真のチョッキは、脇にボタンが付いており、目がみえない人でもボタンを開くことができます。また、着ている方が寝ていても、簡単に介護することができ、抱き抱えなくても良い一つのデザインです。これは、川崎市敬老事業の米寿88歳、お祝い採択品に選ばれました。
川崎市敬老事業 米寿88歳 お祝い採択品に選ばれた、ボタンが磁石になっており、袖下が縫われていない上着と、楽に着ることができるマフラー
川崎市敬老事業 米寿88歳 お祝い採択品に選ばれた、ボタンが磁石になっており、袖下が縫われていない上着と、楽に着ることができるマフラー
左の写真の服は、ボタンが磁石になっており、また袖下が縫われていないので着やすく楽です。マフラーは手が痛くても寝た状態でも着ることができるようになっています。肩の関節が動かない人や、リウマチの人でも楽に着ることができ、着る服を制限されることなくファッションを楽しむことができます。
このように、すべての方にとって「着脱やすく・おしゃれな服」を提案することがユニバーサルファッションの考え方です。


ずり落ちないひざかけ
ずり落ちないひざかけ
右の写真は、ずるずるとずり落ちないように作ってある膝掛けです。
これらの商品は、以前教えていた登戸ドレスメーカー学院の卒業生も、ボランティアで一緒に商品開発したものだそうです。
障がいを持つ方の、障がいがあっても特殊な洋服を着たくない、という思いをかなえるユニバーサルファッションです。
このような服を展示で知っていれば、普段は他人事でもいざ自分の両親が倒れたときでも紹介することができ、安心です、と、栗田さんは語っていました。
ポーチ造りを楽しむ来場者
ポーチ造りを楽しむ来場者
実演では、材料費無料で簡単に造ることのできるポーチ造りが行われ、来場者は、「ちょっとした買い物に行くとき持つのに便利でかわいいね♪」などとお喋りしながら、ポーチ造りを楽しんでいました。

畑 幸男さん (食肉加工士)

オランダ、ドイツなどのコンテストで受賞したメダル
オランダ、ドイツなどのコンテストで受賞したメダル
ハム、ソーセージなどを作る食肉加工士でかわさきマイスターに認定されている畑幸男さんが製品を作る際に心がけていることは、食の安全を大事にすること、添加物は必要最低限にし、品物を良く吟味すること、原材料を良いものを使うことです。

また、「料理は原材料が良いと絶対美味しいのができる」というのが持論で、良い豚、牛を使い、甘味料や香料などの混ぜ物はいっさい使っていません。
畑さんの経営する伊勢銀(多摩区)というお店では、その美味しさは逸品と評判!
左の写真のメダルは、オランダやドイツなどのコンテストにハムやソーセージを出品して受賞したものだそうで、22品目受賞しており、ローストポークではチャンピオンに選ばれたそうです。
この機械、ドイツ製でなんと650万円!
この機械、ドイツ製でなんと650万円!
右の写真はソーセージをコンピューターで操作し燻製にする機械です。

この機械に入れる前には、カッター状の機械を1分間に3000回転させて肉を液状にし、柄の付いたドイツ製の袋に詰めるそうです。