地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、川崎市宮前区の地域ポータルサイト「宮前ぽーたろう」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

川崎市宮前区の地域ポータルサイト「宮前ぽーたろう」

かわさきマイスター活動レポート

平成21年度 かわさきマイスター認定式

新たに5名のマイスターを認定

提供:川崎市

新たな『かわさきマイスター』のご紹介

川崎市では、技能者の最高峰として、きわめてすぐれた匠の技によって市民生活を支える現役の技術・技能者を、『かわさきマイスター』として認定しています。平成9年度から始まり、平成20年度までに52名が認定を受けています。今年度は14名の応募があり、厳正なる審議の結果5名が認定され、この晴れの日を迎えることとなりました。
こちらは発表時の写真です<br>上段左から、吉田義一氏、田中司好氏、久保田宗孝氏 <br>下段左から、榎本かつ子氏、阿部市長、浅谷理明氏
こちらは発表時の写真です
上段左から、吉田義一氏、田中司好氏、久保田宗孝氏 
下段左から、榎本かつ子氏、阿部市長、浅谷理明氏

平成21年度かわさきマイスター認定式

同日午後、川崎市立労働会館(サンピアンかわさき)にて、川崎市技能功労者等表彰式とかわさきマイスター認定式が行われました。
 ここでは、かわさきマイスター認定式の模様をレポートします。
 

厳かな雰囲気の中、表彰式が執り行われました。
厳かな雰囲気の中、表彰式が執り行われました。
 技能功労者等180名の表彰式に続けて、新たに認定された5名の『かわさきマイスター』の方々に、阿部孝夫川崎市長より、認定証・報奨金(50万円!)・とお名前を記した銀皿などの記念品が渡されます。
 神妙な面持ちで一人ひとり壇上に上がり、会場からも盛大な拍手が送られました。
 新たに認定された5名の方を、当日伺ったお話を交えてご紹介します。

洋菓子士 浅谷理明(あさやまさあき)さん

 浅谷理明さんは学生時代に洋菓子店でアルバイトをしたことがきっかけでこの道を志し、卒業後都内の店で働いてから、ヨーロッパの洋菓子店で6年間働いて腕を磨きました。
 オーストリア、ドイツの代表的菓子であるザッハトルテ、リンツァートルテ、シュトーレンなどの製作技術を身につけて、帰国後1985年に開業しました。修行中も独立後も勤勉であり、現在まで常に学び続けています。

 地元でも評判の店舗となり、多数の固定客がついた現在も、新しい菓子の開発にも余念がなく、抹茶や大納言など和風の材料を取り入れた洋菓子や地元の名前を冠したシュークリーム「中野島シュー」などは人気の商品です。
 ブラックベリーやサクランボを漬けてチョコレートに使ったり、様々な種類のココアを試してみたり、洋菓子にのめり込むように、詳しく丹念に研究しています。週末にはヨーロッパ風のクロワッサンやロールパンなども作っています。

 また、新しい技術や洋菓子の情報を得て技を極めることにも熱心で、毎月講習会に出て、フランス帰りの若者から教わることも多くあります。 ここに、身につけた技を一層磨こうとする精神が表れています。
 その一方、基本技術を弟子に教えることも積極的です。これまでに100人ほどに指導し、そのうち20人ほどが独立しているとのことです。

 浅谷さんは社会活動にも熱心で、昔からハロウィンの時は地元の子供たちに無料でケーキやジュースを振舞っています。
 毎日早朝から働いていますが、その中で自分自身の勉強も、後進の指導も、そして社会貢献も行うことは、洋菓子を作る喜びを強く感じていなければとてもできないことです。地域の絆を大事にする、常に前向きなマイスターです。
 今回の認定について「大変光栄に思っています」と語る浅谷さん。海外で学んだ本物の味を大切にし、甘さを抑えすぎないようにしているそうです。
 中でもシュークリームは自慢の逸品。オーストリアの地名にその名を由来する浅谷さんのお店『マリアツェル』で、毎日焼き上げています。

マリアツェル
(多摩区中野島3-14-6、TEL044-932-8829)
ホームページはこちらから

美容師 榎本かつ子(えのもとかつこ)さん

写真は認定者発表時のものです。
写真は認定者発表時のものです。
 榎本かつ子さんは気風のよい職人気質の美容師です。高校卒業後、都内の美容室で修業し、1968年に開業しました。
 榎本さんは開業当初から、シャンプー、セット、メーク、着付けなどすべてを一人で行ってきました。一人で一日に28人の髪を結ったこともあり、修練を積み重ねた結果、実に手際がよく短時間で仕上げます。和服向けの髪と着付けが得意で、着付けにおいては「楽に、苦しくなく、着崩れせずに」をモットーに、紐の締め方、帯の締め方などに独自の工夫をほどこし、客の心地よさを追求しています。

 榎本さんは熟練した技と的確で素早い判断で作業を進めます。客の希望を取り入れながら、その人に一番合う髪型を考え、流行も考慮して、早く仕上げるには確かな技術と技能の引き出しをたくさん持っていなければできません。
 客の顔を見れば頭の形や髪の生え際などの状況が分かり、それに合う髪型のイメージがわくそうです。着付けのポイントは指をしっかり使うため、駆使され続けた指は太くしっかりしています。

 榎本さんは身につけた技能を向上させるために、これという師を見つけて習いに出かけるなどの努力を続けています。
 その一方で、業界の講習会などで積極的に講師を務めるなど、自分の技を若い人たちに教える努力を惜しみません。飾らずに創意工夫し続けて技を磨く街のマイスターです。

 残念ながら、この日はお仕事の都合でお見えになることができませんでした。お話を伺う機会がありましたら、また改めてご紹介します。

■すみれ美容室
(幸区南幸町2-9 044-522-0135)