平成31年4月15日、世界遺産として有名なフランス共和国パリ市のノートルダム大聖堂で火災が発生し、大きく焼損したことが世界的に報道されました。
また、令和元年10月31日には、那覇市の世界遺産である首里城跡に建つ首里城正殿で火災が発生し、建物だけでなく、内部で保管していた多くの文化財が焼失しました。
国指定の重要文化財をはじめ、文化財にはさまざまな種類がありますが、火災等により焼失してしまうと、歴史的価値が失われ、再び元通りに回復させることが非常に難しいため、普段から火災を起こさないための防火対策を心掛けておくことが非常に大切です。
かけがえのない財産である文化財を火災から守るためにも、関係者の皆様は防火対策の徹底について、今一度心掛けていただきますようお願いします。
「小さな火だから大丈夫」「自然に消えるだろう」という考えは禁物です。ローソク・線香を使用する際は、次のとおり心掛けましょう。
文化財建造物の周囲は、放火されない、放火させない、拡大させない環境づくりを心掛けましょう。
コンセント、プラグ、コードの周囲は定期的に清掃し、適切に使用されているかどうか確認しましょう。
文化財建造物の火災は、修繕工事中に発生している例が少なくありません。工事やイベントを行う際には、次のとおり防火対策を心掛けましょう。
文化財の関係者の方は、文化庁が作成した各種「防火・防犯対策チェックリスト」を活用し、必要な項目をチェックして、現時点での文化財の状況を的確に把握し、防火対策に役立てましょう。
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所有者が自ら確認すべき項目をチェックするための各種リストです。
昭和24年1月26日に法隆寺金堂壁画が焼損したことから、1月26日は「文化財防火デー」と定められています。
毎年この日を中心に、文化財を火災、震災などから守ることを目的とした文化財防火運動を全国で展開しており、消防では、文化財に対して消防訓練や立入検査、広報活動などを実施することによって、皆様の防火意識の高揚を図るとともに火災予防対策を推進します。
文化財の関係者の方は、消防から消防訓練等の協力依頼がありましたら、これを機会に防火意識の再認識のため、地域住民との協力体制の構築のため、そしてかけがえのない文化財を火災から守るために、ぜひご協力いただきますようお願いいたします。