川崎市市民ミュージアムは、企画展「ベル・エポックの煌めき 光が紡いだ夢のあとさき」を令和8年11月7日(土)から12月20日(日)まで向ヶ丘遊園中和ビルで開催します。
19世紀、イギリスに始まり、やがてフランスにもおよんだ産業革命と技術革新によって、人々の暮らしは大きく変わりました。工業化による消費文化の発展とともに、鉄道網が整備され、まだ見ぬ風景への憧れが人々を旅行へと誘います。夜の街には街灯が灯り、人々は劇場やキャバレーなどの歓楽の場に集いました。
新しい時代の到来とともに芸術にも変革の波が及び、装飾芸術の分野では、アール・ヌーヴォー様式が隆盛しました。植物から着想を得た曲線や、花と蔦が絡み合う装飾的な意匠は、建築や家具、工芸、ポスターなど、都市生活のさまざまな場に広がっていきます。リトグラフによる大判のポスターは街を鮮やかに彩り、時代の象徴となりました。
19世紀末から第一次世界大戦前にかけての時代は、のちに「ベル・エポック(美しい時代)」と名づけられます。華やかでありながら、失われてゆくものへの愁いを帯びた時代の気分は、残された作品にも静かに息づいているようです。
本展では、当館所蔵作品を通じて、光と影が織りなすベル・エポックの美意識と、その時代に生きた人々が紡いだ夢の軌跡をたどります。