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路傍の晶

進学塾 宮前進学ウイン 酒井さん

講師生活20数年の経験を糧に
自ら教鞭をとる酒井さん
講師生活20数年の経験を糧に
自ら教鞭をとる酒井さん
一流大学進学を志す学生にとって、長野の片田舎はお世辞にも環境に恵まれているとは言いがたかったようだ。「自分で試行錯誤しながら勉強するしかなかった」頼れる予備校も見当たらず、高校生の酒井さんは通信教育を利用するなどして独自に受験勉強に励んだものだ。東大進学は、そうした努力の賜物だった。

 大学に進み、生活費を稼ぐべく初めて手にしたアルバイトが、塾講師や家庭教師という教える仕事だった。「自分に合っている」そう感じて以来、彼は卒業してからも教育の現場に自身の立ち居地を見出すようになった。こうして20余年に及ぶ講師生活がスタートしたのである。

 これまで、いくつかの個別指導塾を経営してきた。ただひとくちに「個別指導」といっても、その形態はさまざまである。「宮前進学ウイン」がつくりあげたスタイルには、塾長である酒井さんの塾講師としての長年の経験、そしてかつて行なった家庭教師の個人指導もまた、どうやら活かされているようだ。
グループ学習が互いの刺激を
喚起し、集中力を高める
グループ学習が互いの刺激を
喚起し、集中力を高める
ベテラン講師は言う。
「生徒と教師が1対1となる家庭教師は親身な指導ができる反面、1対1ゆえに生徒が教師に依存しすぎてしまう面も少なくない。たとえば問題を解いている途中でミスを犯せば教える側がすぐに正してあげられるし、子どもが解けずに悩んでいればヒントも与える。でも、そういった環境で仮に正解したとしても、ほんとうに解けているわけではありません。ですから私の塾では、生徒たちがすべて自分の力で解けるように、できるだけ時間を与えるようにしています。自分でやってみて、試行錯誤も含めて経験してもらい、そのうえで躓いた点、分からないところを先生が教えるという個別指導のかたちを採っています」

 なるほど、塾長の言葉を裏付けるように、教室には甘えを促しそうなマンツーマンのための細かい仕切りはない。開放された空間はむしろ、自宅ではなかなか集中できない子どもたちに環境の変化を与え、さらに視界に入る仲間からの刺激をももたらすようだ。ちょうど図書館の自習室で集中力が高められる作用に似ている。また、「生徒の学力や性格を考慮しながら人数のバランスをとっている」という少人数制の授業は、講師一人に対し生徒1名、多くても4名ほどで構成されている。すなわち、それぞれに違う個性を見極めたうえでの個別指導といえるだろう。
小学生から高校生まで、
個性を見極めた指導を行なう
小学生から高校生まで、
個性を見極めた指導を行なう
「好きだからこそここまで続けてこられたんだと思いますよ」塾長は柔和な笑みを浮かべながら、講師生活を振り返る。
「いまでも自分に合っている仕事だと思うし、すごくいい仕事。小中学生や高校生を含めて、これから伸びていく若い芽に接していると、教えている私自身もパワーをもらいます。好きでなければこの仕事はできませんね。日々充実しています」

 2003年に川崎市宮前区でこの塾を開き、今年で5年目になる。親身な個人指導を柱に、しかし自主性を奪う甘えは許さない。そのスタイルには、長野の片田舎から自らの力で巣立ち、教壇の経験を積んできた彼の今日までの姿勢が凝縮されている。



取材・文◎隈元大吾
進学塾 宮前進学ウイン

住所:〒216-0015  川崎市宮前区菅生5-7-16 朝日ビル1階
電話番号:044-975-6936
営業時間:15:30~21:45
定休日:日曜