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かわさきマイスター活動レポート

かわさきマイスターが初の講演

県立向の岡工業高等学校・ものづくり講演会

講演後は質疑応答の時間が設けられ、さらに生徒代表が落合さんへお礼の言葉を述べました。続いて、卒業した機械科3年生の男子3人が企業実習の成果を発表し、落合マイスターは講評で会場の1・2年生へ「みなさんがインターンシップを受ける時は、うまい人の手をよく見て、刺激を受けて帰ってきてほしい」と呼びかけ、講演会は幕を降ろしました。

質疑応答

○今回、ご紹介いただいた特殊基板の他に、どんな特殊基板があるんですか?
基本は放熱とパワーですが、ガラス基板も作っています。透明の丸いガラスに回路をつけて、高周波特性をすごくあげた基板とか、あるいは基板の回路を上下左右にシールドした同軸構造基板などです。TSSのホームページに載っているので、参考にして下さい。

▼TSSのホームページ
http://www.tssg.com/

○バイクは何に乗っていたんですか?
ヤマハのGXという二気筒のバイクです。当時学生でアルバイトをしていたんですが、お金がなくて四気筒が買えませんでした。だから、人気のないオートバイに乗って自分でマフラーを作るしかなかったという形です。

生徒代表の言葉

司会は生徒たちが行いました。右は生徒代表の女生徒
司会は生徒たちが行いました。右は生徒代表の女生徒
バイクの話からデコ電の話、ちょっと危ない話も交えてものづくりに対する姿勢や取り組み、考え方を教えていただき、ありがとうございます。厳しい実習や難しい勉強にも、少しは楽しみを感じて取り組めるような気がします。本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

落合さんインタビュー

私は異色キャラ。脱線したことを含めて、若い頃の経験が今、役に立っています。だから、生徒たちも若い時にものの見方などのきっかけが持てると、面白い方向へ行くはず。少し不思議に思うだけで二の手が出てくる、ということを知ってほしい。今の子供たちははみ出すことをよしとしません。しかし、ものづくりの現場では、はみ出した人材がほしい。以下同文、ひとつのカテゴリーに入ってしまう人は、みんな同じでそこから出てこない。やんちゃな子は個性やパワーがあり、人と違う何かを持っている。だから、声が大きかったり、はみ出したりするけれど、向きを変えてあげるだけで、どんと伸びる。欲しいのはそういう、少し人と違った子です。今日は、こういう見方をしたら楽しいよ、いいことがあったよとか、ものづくりしていて壁にぶつかってもあきらめてはだめ、あきらめたら終わってしまうから、ということがわかってもらえるだけでもいいのでは。

かわさきマイスターの認定をいただいて、私が真っ先にお願いしたのは、今日のような若い人への講演をやらせてほしいということなんです。職人でしゃべる人はあまりいませんが、私は人前でしゃべるのが嫌いじゃないし、30年近くものづくりをしていると、技術者でありながらプレゼンテーションしたり、営業サポートしたり、作るだけではなく、しゃべることも重要なんです。私みたいなエンジニアは珍しいですね。若い人への講演は、私自身、刺激になるし、面白いですよ。

生徒の声(2年電気科)

講演会の様子を放送部の生徒が記録していました
講演会の様子を放送部の生徒が記録していました
○金剛順一君
自分が知らない、いろいろな種類の基板が出てきて、勉強になりました。「五感」の話がありましたが、授業でもよく、先生から触ることの大切さを教わっていて、マイスターもそこが重要だと言っていたので、もっと触覚を重視して、気をつけて作業していきたいと思います。将来は電気工事のいろいろな基板を作って、企業にそれを活用してもらえるような仕事が目標です。

○徳健介君
ガンプラ作りが好きで、時々妥協してしまいますが、自分の趣味を極めていけば、新しい力が手に入れられるんだと思いました。将来はまだ決めていませんが、学校の実習の一環で基板を作っているので、そちらの道もいいかなと考えています。

○月木一成(いっせい)君
バイクの話から、自分の好きなことを極めていけば、たとえ高校中退したとしても、今のようなかわさきマイスターにまで上りつめることができるんだなと、自分の好きなことを最後まで貫くことは大事だなと思いました。自分は基板の回路に興味があるので、将来はそれに関連した仕事をしたいです。世界へ通用するすごいマイスターが川崎にたくさんいると知って、川崎もすごいなと見直しました。

日頃は元気いっぱいの生徒たちも、やはりものづくり職人の卵たち。専門的な内容には時折メモをとったり、真剣な様子でマイスターの話に聞き入る姿があちこちで見られました。何より、マイスター自身の経験から発せられたメッセージは、生徒たちの心へ響いたようです。講演後の大きな拍手と「ありがとうございました!」と叫ぶ生徒の声がそれを物語っていました。