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かわさきマイスター活動レポート

第34回かわさき市民祭りにかわさきマイスターが出展

和服洗い張り  小林 伸光さん (平成14年度認定)

洗い張り実演の小林伸光マイスター
洗い張り実演の小林伸光マイスター
小林さんが当日、実演をしていたのが洗い張り。洗い張りとは、伝統的な技術で、着物のお手入れの基本です。まず、着物を解いて反物に戻し、端縫いをした後、水洗いをします。そして、すすぎ、脱水、乾燥と工程を経て、両端に針の付いた細い竹の棒で反物の両サイドを張って乾かします。その竹の棒が「伸子」。ひと昔前は自宅でも行われていたため、よく見られたそうですが、今は目にすることがなくなりました。そのため、年配者の方は懐かしそうに見て行きますが、若い人には何をしているのかわからないようです。永年着た高価な和服の汚れを取ると共に新品同様に甦らせるこの「伸子張り」、顧客からの根強い信頼と需要があるのも小林さんの熟練の技があってこそ。小林さんはこの実演を通して、日本の伝統文化や技術を伝えていこうとされています。

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広告看板製作  浅水屋 甫さん (平成16年度認定)

浅水屋 甫マイスターの実演販売
浅水屋 甫マイスターの実演販売
他のイベントでも浅水屋さんがフリーハンドで一心に表札を描く実演をご覧になった方がいらっしゃるかもしれません。お客さんのどんな字体の要望でもその場で書けるという、60年のキャリアを持ち、字を描くことが身にしみついているようです。表札はその家の品格をも表現するといいます。印刷やコンピュータ文字にはない血の通った実に品のある文字は本人の人柄そのものです。浅水屋さんの手書きの表札はお客さんからもとても喜ばれています。この日はその手書きの表札の販売を行いました。浅水屋さんが書いている間はたくさんの人が足を止めて浅水屋さんの実演を見ていきますが、浅水屋さんは文字を書いている間は、まるで人だかりがいないかの如く一心不乱に書き上げていました。

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難切削特殊加工  鈴木 貞吉さん (平成18年度認定)

鈴木貞吉マイスターと展示作品
鈴木貞吉マイスターと展示作品
ステンレス、アルミ、真鍮等錆びない硬い金属機材を加工するため、普通施盤を主とする難切削や特殊加工の技能士です。計測器で既定の値と実物の値の差は法令で許される範囲が決められていますが、鈴木さんは0.01mmの差の精度の加工ができる職人です。削る音を聞くだけで、あるいは金属表面に現れる模様を見て工具の寿命や切削条件等を見極めることができるそうです。また施盤の分解修理やほとんどのトラブルの問題解決ができるというまさに熟練の職人さんです。展示場では機械を使って創造過程の実演からみられないのが残念でした。

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時計技能士  飯嶋 義弘さん (平成19年度認定)

時計の誤差検知器と飯嶋義弘マイスター
時計の誤差検知器と飯嶋義弘マイスター
ロレックス、パテックフィリップ、オーディマピケなど高級機械式時計のオーバーホール(分解、洗浄、破損、摩耗した部品の交換、組立、傷直し)を行う経験と熟練の技能士です。高級時計は複雑さがステータスにもなっていますが、飯嶋さんは製作者に劣らぬ理解と技能を持っています。その証拠に部品の在庫がない場合は自ら制作し、傷ついた外側部品も自製の研磨機で新品に甦らせることができます。時計の部品と構造はもちろんメーカーごとに違いますが、それぞれを理解し、工夫して修理することに面白さを感じるといういいます。飯嶋さんは後継者の育成にも大変熱心で、同業者の集まる「日本時計研究会」で技術、技能の普及に努めています。展示台には時計の誤差計測器があり、足を留めて自分の時計を測ってもらっている人がいました。

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ものづくり多能工  野浦 惣一さん (平成19年度認定)

野浦惣一マイスター
野浦惣一マイスター
アイディアあふれるゴルフパター
アイディアあふれるゴルフパター
野浦さんは、機械製品開発の専門家で開発から製造まですべてを行っています。特に、工作機械の組み立て時に、金属面を機械ややすりで仕上げた後、さらに精密に仕上げる手作業の技術は、他者の追随を許しません。また、新しいアイデア商品を発想し、製品化するのに喜びを感じるといいます。その1つとして展示されていたのが写真のゴルフパター。真鍮のインゴットから削り出した見た目にも美しいパターです。パットした後、しゃがまず立ったままボールをパターで拾い上げることができるというものです。楽しそうに話をする野浦マイスターの次のアイデアが楽しみです。何人かのゴルフ好きの輪ができていました。

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生産システム(加工・組立)の設計・製作  平賀 正明さん (平成20年度認定)

平賀正明マイスター
平賀正明マイスター
もの作りをするのに必要な道具や機械を揃えたり、場合によっては作ったり、作業手順を設計したりしています。主眼は高機能、多品種少量品、新製品など女性でも効率よく高品質を保てるような製品をつくる上で必要な機械工具と作業手順を考え出すことです。それだけに、作業する人を絶えず観察しながら品質維持と高効率・省力化を常に考え、絶え間なく自分を磨く努力が必要とお話ししてくれた平賀さんは、柔和な表情の中に真摯な人柄が見えました。

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デザイン彫金士  久保田 宗孝さん (平成21年度認定)

実演中の久保田宗孝マイスター
実演中の久保田宗孝マイスター
作品の写真集
作品の写真集
貴金属類の溶解分析から始まって地金作成、そして宝飾品のデザイン化と製作まで全工程を1人で行っています。ジュエリーデザイン学校を卒業し、職人のところで修業、そこで培われた経験と技術で顧客のあらゆる要望に応えられるとのこと。他の店で断られたお客様が訪れることもありますが、相談して蘇生されたジュエリーを見て一緒に喜び合うのが幸せとおっしゃっていました。また川崎市と中国・瀋陽市の友好都市提携30周年記念として、川崎市が中国・瀋陽市に贈呈した菊皿を製作した、かわさきマイスター5名の1人である久保田さんは、大変名誉なこととお話されました。美しい貴金属とそれをもっと美しい装飾品にオリジナルに作り上げ、女性を美しくさせる仕事に携わることができてうれしい、と本当に仕事を楽しんでいる様子でした。

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食品サンプル  田中 司好さん (平成21年度認定)

食品サンプルの作品もずらり。<br>田中司好マイスター
食品サンプルの作品もずらり。
田中司好マイスター
ミニチュア作品のストラップが大人気
ミニチュア作品のストラップが大人気
みなさんよくご存知の食品サンプル、いつも子ども連れのお客さんで賑わっています。田中さんは食品サンプル作り51年のキャリアを持つ、第一人者のマイスターです。東京オリンピックのとき、銀座のフードセンターでブタの丸焼きサンプルを展示したら評判をとったことを今でも思い出すと言います。今は同業者が増えましたが、当時は作っても作っても売れたそうです。田中さんは先日もテレビに取り上げられていました。今度は学校で100人の生徒を対象に製作実演をします。一番難しいのは何?と質問をしてみると、生の魚だとのこと。ウロコを表現するのが難しいそうです。

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椅子製造業  出井 明さん (平成22年度認定)

出井 明マイスター
出井 明マイスター
椅子の修復作業の実演
椅子の修復作業の実演
出井マイスターの所属している会社は昭和7年創業の日本を代表する椅子張りメーカー(株式会社キルト工芸)です。その中で椅子張り(型押し・縫製)技能に卓越した技術を保持しているのが出井さんです。例えば、最近は、永年大事に使ってなじんだ椅子のリフォームが増えているのですが、その工程(張地のはがし・クッション調整・交換・型取り、裁断、縫製、張込み、木部塗装・完成)を経験し、様々な椅子を試作・修理・再生してきた熟練の技が名品のクラシック椅子を甦らせることを可能にしています。淡々と手際よく技を繰り出している出井さんの実演に迫力を感じました。

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昨年はあいにくの台風で3日間の開催日のうち1日しか開催されませんでしたが、今年は3日間とも開催することができ、560,000人もの来場者が訪れました。かわさきマイスターのブースにも多くの来場者が足を止めて見入っていました。
かわさきマイスターが参加されているイベントは年間を通して多数ありますが、中でもこのかわさき市民祭りは、様々な技能をもつマイスターが多数参加されるビックイベント。来年も楽しみです。